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『イメージを1曲に仕上げる作曲テクニック』梅垣ルナ著
『イメージを1曲に仕上げる作曲テクニック』梅垣ルナ著
こちらは、著者である梅垣ルナさんの前著『イメージした通りに作曲する方法50』をより掘り下げたような内容になっています。
前著も「イメージ」をテーマに書かれておりましたが、サンプル一つ一つが短い印象がありました。
ただ今回はイントロ~アウトロまで、つまりフルコーラスを5曲分(ボーカルあり)まるまる載っていますので、イメージに沿って作るというのはどういうものか知ることができます。
基本的に「自分のイメージをコード進行で表現する」というのが軸になっていて、メロディに関する情報はほとんどありません。
また、楽器関係(楽器アレンジ)についての情報は一切ありません。
あくまで「コード進行」がメインとなっています。
流れとしては、Aメロ⇒Bメロ⇒サビ⇒イントロ/間奏/アウトロの順で作っていき、最後によりイメージに近づけるためハーモニゼーション(コードの変更)していくという風になります。
サンプル音声(MIDIデータ含む)だけでなく、楽譜、コードとメロディのピアノロール画面が掲載されていますので、視覚的にもわかりやすく説明しようという意図が感じられました。
ただ、サンプルとなっている作品のコード進行で、結構応用的なコードが含まれていたり、激しくそして細かく転調するものだったりで、音楽理論に詳しくない方、作曲経験のあまりない方にとっては難しく感じられるだろうと思います。
イメージをコード進行で表すというのは結構高度な手法だと思いますが、音楽の行く道を明確にしますので、方法としては非常に有効なものの一つだと思います。
「こういう作り方もあるんだな」と勉強になることがあるはずです。