作曲ブックレビュー

【作曲ブックレビュー】コード進行編

2022年1月17日

【作曲ブックレビュー】コード進行編

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ここではコード進行に関する本のレビューをしていきます。定番の本には見出しに[定番]、おすすめの本には[オススメ!]としています。

こちらの記事をきっかけに、あなたに合う1冊が見つかれば幸いです。

取り上げている書籍の中にはすでに絶版のものが含まれている場合があります

『コード進行スタイル・ブック』成瀬正樹著 [定番]

決定版 コード進行スタイルブック

幅広く音楽を作りたいなら、やはりコード進行のレパートリーは多いほうが良いです。

コード進行は案外パターン化されていて、同じコード進行が色んなところで使われているというのはよくあることです。

つまり、少ないコード進行でも十分色んなメロディをつけることができますが、コード進行のレパートリーが多ければ多いほど、他の人に作曲で差をつけることができます。

この本の良いところは、コード進行例と同じコード進行の曲が明示されているところです。

ギターやピアノなど楽器をお持ちでない方は、いまひとつコード進行を見てもどんな音の流れになるか分からないと思います。

ただし、例曲があることによって、「YouTube」などで実際に音の流れを確認することができます。

コード進行例は、ダイアトニックコード中心もの、ノンダイアトニックコードを入れたもの、クリシェなどの応用的なコード進行、またFunk系の1コードなど多種多様紹介されています。

さらに、各コード進行例にはその説明部分もありますので、より理解が深まると思います。

かなり端折っていますが、コード理論の基礎知識的な部分もあります。

メロディはある程度コード進行に左右される部分が多いので、色んなコード進行を吸収すれば、メロディ作りの幅も広がるでしょう。

困ったときのコード進行頼りになるのではないでしょうか。

コード進行には著作権がありませんので、こちらの本に書かれているコード進行や楽譜等でどんどん真似していってください。

ただし、自分でもなぜこういう流れになるのかいまいちわからないというのに手を出してしまうと、袋小路に陥ることがありますので注意してください。

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『スグ使えるコード進行レシピ』斉藤 修著 [オススメ!]

『スグ使えるコード進行レシピ』斉藤 修著

「コード進行がいつもありきたりになってしまう」「バリエーションあるコード進行のストックがない」という方にお勧めの本です。

「LOS ANGELES」「NEW YORK」「TEXAS」などなど、都市別にカテコライズされたコード進行が全部で168種類掲載されています。
※都市別になっているのは、特に意味はないかと思います・・・

通常の理論書のように、読み進めるとだんだん難しいコードが入ってくるというものではなく、あくまで都市別にカテコライズされているだけで、どこからでも読むことができます。

MIDIファイルが付属しており、しかもそのMIDIファイルは単にコードだけではありません。ドラム(パーカッション)とベースフレーズも付属していますので、タイトルの通り「スグ使え」ます。

作曲ソフトにMIDIファイルをインポートし、コード・ベース・ドラムのトラックに音色を割り当てれば、あとはメロディを考えるだけです。

すべてメジャーキーはKey of C、マイナーキーはKey of Amになっていますが、MIDIファイルなのでキーの変更や、一部コードの差し替え等アレンジも自由自在です。

使われているコードはダイアトニックコードをはじめ、分数コードやセカンダリードミナントコード、サブドミナントマイナーコード、裏コードなどなど、既存曲でも聴かれるコードばかりで成り立っています。

コード進行一つ一つに説明がありますので、なぜこういうコード進行が成り立つのかが理解しやすいかと思います。

また、各コードのコードトーンも五線譜上に記されていますので、コードネームからすぐにコードトーンが浮かばない人でも安心です。

冒頭にはコードについての基礎知識がありますので、復習的な意味合いで参考になるでしょう。

ただ、セカンダリードミナントコードやサブドミナントマイナーコードのような、ノン・ダイアトニックコードについての解説がありますが、あくまで概略という感じなので、難しく感じられる方もいらっしゃるかもしれません。

『かっこいいコード進行128』篠田元一著

『かっこいいコード進行128』篠田元一著

この本のタイトルである「かっこいいコード進行」というのは、「理論的に凝ったコード進行」「応用理論を駆使したコード進行」と言う意味合いの方が近いかもしれません。

ありきたりなダイアトニックコードだけのものではなく、ノン・ダイアトニックコードも含むコード進行が詰まっています。

使われているノン・コードトーンは理論的に説明できるものばかりなので、唐突/突飛なものではなく、応用的でなおかつ自然なものです。

各コード進行に理論的な説明が加えられているので、ノン・ダイアトニックコードでもどこから来たものなのかがわかります。

参考として、各コード一つずつコードの構成音が五線譜上に書かれています。

また、各コード進行のMIDIファイルやオーディオ化したmp3ファイルがダウンロードできますので、耳でも確認できます。

MIDIファイルだと自由にテンポを変えたり、キーを変えたり、ボイシング(コード音の並び)を変えたりできます。

またMIDIファイル同士で前半と後半を入れ替えるというようなアレンジもできます。

作曲ソフトにこのコード進行のファイルを取り込んでドラムループを付け加えると、ある程度伴奏として成立しますので、メロディ作りのガイドになるのではないでしょうか?

ただ、あくまで応用的なコード進行ばかりなので、あまり作曲経験のない人にとっては難しく感じられるだろうと思います。

作曲経験の少ない人はこの本にあるコード進行よりも、まずは基本的なダイアトニックコードのみである程度作品数を増やしてからの方が良いです。

『曲想が決まる!コード進行本』氏家克典著

『曲想が決まる!コード進行本~氏家流コードレシピでマンネリ打破!~』氏家克典著

業界ではおなじみの氏家克典さんのコード進行に関する書籍となります。

これまでは割と「どう弾くか?」に焦点を当てた書籍やDVDを数多く出版されてきましたが、今回は「何を弾くか?」に焦点を当てています。

ただ単に無機質にコード進行を列挙しているのではなく、各コード進行に「旅立ち」や「前向きな心」などイメージ(曲想)付けがされています。

やはり音楽はただ単に音を並べればよいというわけではなく、自分のイメージを相手に伝えるという部分も必要になってきますので、こういった曲想選びも重要な作曲の一つと言えます。

前著『弾けない人が生演奏のように打ち込むキーボード演奏レシピ100』と同様、難しい印象の五線を使うのではなく、すべて鍵盤図でボイシング(音の鳴らし方)が紹介されていますので、五線に不慣れな方でも手に取りやすい設計になっています。

各コード進行に理論的な一口ポイントが添えられているので、コード進行の意味も理解できるのではないかと思います。

また、今回はあくまで「コード進行」ということで、ギターのダイアグラムも掲載されていますので、ギター中心で作曲されている方も安心です。

サンプル音声もありますので、よりイメージも掴みやすくなっています。

残念ながらMIDIファイルは書籍には付属していませんが、ホームページからダウンロードできるようになっていますので安心です。

全部で100近くのコード進行が掲載されていますので、コード進行がいつも似通ってしまう、引き出しが少ないという方には非常にお勧めできる本です。

『ビートルズのコード進行レボリューション#9』安東 滋著 [オススメ!]

『『ビートルズのコード進行レボリューション#9〜弾いて楽しむ9つのコード進行革命とその法則』安東 滋著

ポップス・ロックの教科書ともいえるビートルズの音楽。ビートルズの作品は作曲を志すなら一度は通らないといけない通過点と言えます。

著名なアーティストでもビートルズサウンドにインスパイアされた方はたくさんいらっしゃいます。

こちらの本は、ビートルズ作品でのコード進行上の「9つの特徴」にスポット当てて解説されています。大きく分けて9つで、9つの中にさらに細かいセクションがあります。

実際にどこでこういうコード(進行)が使われているか、細かく作品の紹介もありますので、実際に聴いてみるということが容易にできます。

また自作曲に生かすために、このアイディアをどういう状況で使うべきかの説明もあるので、ただ単にインプットだけでなく、アウトプットにも焦点を当てているところが素晴らしいと感じました。

ただ、内容的には少し難しく、ある程度音楽理論がわからないと理解しがたいという感じです。理論的な説明もありますが、全く理論を知らないという人にとっては厳しいかもしれません。

ですので、こちらの本はある程度音楽理論を知っているものの、その理論を実際にどう使って良いかわからない、作曲時に使えるヒント(アイディア)が欲しいという方にお勧めと言えます。

上記に当てはまれば、ビートルズの音楽をあまり知らないという方でも十分に役立つ内容と言えます。

著者の安藤滋さんは過去にギター関連の著作を多く出されているので、内容にもギターの指板表が載っています。

ですので、比較的ギタリスト(ギターに詳しい人)向きな内容になっていて、ギターが弾けるなら音楽を聴かないまでもそのまま弾いて確認できるようになっています。

ビートルズの作品をここまでアナライズ(分析)されたのは非常に骨を折っただろうなということを感じられる力作です。

こちらはビートルズファンのみならず、音楽理論学習者にはぜひ手に取ってもらいたい一冊になっています。

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