作曲ブックレビュー

【作曲ブックレビュー】作曲全般・作詞編

2022年1月13日

【作曲ブックレビュー】作曲全般・作詞編

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ここでは作曲全般と作詞に関する本のレビューをしていきます。定番の本には見出しに[定番]、おすすめの本には[オススメ!]としています。

こちらの記事をきっかけに、あなたに合う1冊が見つかれば幸いです。

取り上げている書籍の中にはすでに絶版のものが含まれている場合があります

『よくわかる 作曲の教科書』秋山公良著 [定番]

『よくわかる 作曲の教科書』秋山公良著

作曲のための初級本というところでしょうか?予習にも復習にも使えます。

内容のサンプルCDは付属しませんが、著者のホームページからサンプルが聴けます。
サンプル音源ページ

特徴としては、ほとんどが見開き2ページで1つのテーマを扱っています。そのため初心者の方でも読みやすく、割と良くまとまっているなという感じを受けます。

「音名」や「楽譜」など、初級的な知識については触れられていないので、音楽について全く知らない人はまず、そういった部分(楽典)を扱った音楽書を読むことをお勧めします。
※同シリーズの『よくわかる楽典の教科書』と合わせて購入すると良いでしょう。

内容的にはコード理論中心に、メロディに関することも記述されています。

一般的なダイアトニックコードのみならず、トゥーファイブやセカンダリードミナント、サブドミナントマイナー、テンションコード、Sus4コード、ボイシングなどなど、扱う範囲は広めです。

「ザックリ薄く広く」という印象を受けましたので、とりあえずコード理論の初級部分をサラッと知りたいという人には最適ではないでしょうか?

『作曲本~メロディーが歌になる』野口義修著 [定番]

『作曲本~メロディーが歌になる』野口義修著

名前からもわかるとおり、作曲について全般的に扱った内容です。ただ、副題からもわかるとおり、やや「メロディー」に主眼を置いたものになっています。

結構長い間、作曲関連書の定番の位置にありますので、この本の中で取り上げられている楽曲が一昔前でかなり違和感を感じました。

昔懐かしい曲や、正統派の作曲を志している方にはいいかもしれませんが。

モチーフを意識したメロディ作りを説いておられます。これには個人的にも賛成です。

あまりメロディ作りに慣れていない方は、4~8小節の長いフレーズを作ろうとされる方が多く、モチーフ主体のメロディ作りの方が一番手っ取り早いです。

ただ、個人的にはメロディから作るのはある程度作曲を身に付けてからの方が良いかなと思っています。詳しくは下記をご覧ください。

コードやコード進行についての説明もありますが、深く説明されていないのでわかりづらいかもしれません。

また、譜例に対しての音源もありませんので、初心者の方にはつらいでしょう(今の時代、CDなしで定価1890円はお高いと思います)。

後半部分には少しですが、音楽業界のことやDTMのことについて触れられています。

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『もっと!思いどおりに作曲ができる本』川村ケン著

『もっと思いどおりに作曲ができる本』川村ケン著

作曲全般を学べる本です。

以前販売されていた『思いどおりに作曲ができる本』の改訂版なので、「もっと」という言葉が付いています。

見開き(左側解説/右側譜例など)1テーマになっているので、とても見やすく読みやすいです。

音符を果物に見立てた説明など、色んな例えを使っていて、この本を執筆される時にかなり苦労されたのではないかと思います。
※個人的にも、テキスト執筆の参考になる部分が多かったです

その他、ダイアトニックコードを「ご飯」や「おかず」に例えるなど、初心者の方にとってもわかりやすいと思います。

ただ、基本的な音楽の知識(楽典部分)や、コードの成り立ちなどの説明がないので、全くの知識ゼロでは難しく感じると思います。

対象はあくまで、ある程度楽典やコード理論に対しての知識がある人が、復習もしくは副読本として使用するのに向いていると思います。

音声付き(mp3ダウンロード方式)で、譜例/イラスト豊富なのでイメージとして入りやすいと思います。

「セカンダリードミナント」「裏コード」「借用和音」「テンションコード」「転調」「モード」そして「アレンジ」に関することなど、幅広く解説されているので、作曲からアレンジまでサラッと学びたい方にお勧めの本だと思います。

『知識ゼロからはじめる作曲』平川理雄著

『知識ゼロからはじめる作曲』平川理雄著

『知識ゼロからはじめるデスクトップミュージック』の姉妹版です。前作は、あくまでDTMの機能や機材等の説明が中心でしたが、本作はDTMを使った作曲手順について説明されています。

「ドラムトラック ⇒ ベーストラック ⇒ コード ⇒ メロディ」という風に、クリエイターに多い作曲手順に従って、各楽器ごとにその楽器の特徴やトラックの作り方が紹介されています。

ピアノロール画面が表示されているので、視覚的にもわかりやすいのではと思います。

付属CDはありませんが、専用ページからダウンロードできる仕組みになっています。

リアル感を出す為のベロシティやティック、パンなど、細かな設定が紹介されていますが、全くのDTM初心者の方にはそういった説明が難しいと思います。まずはそれらの用語を覚えることから始めないといけないかもしれません。
※最後の方に簡易的な用語集があります。

初級的な理論を身につけていて、なおかつDTMにもある程度知識のある方にとっては参考になる本です。

最後の「あとがき」で、『まずは目標として100曲を作ってみましょう。そして”99曲の駄作”を作ってください。』という部分は日頃から自分もそのように思っていたので、親近感を感じました。

ほとんどの方は、失敗(駄作)を恐れますが、こういった失敗作をたくさん作っておくことが、実は一番の名曲への近道なんですね。

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『ギタリストのための作曲・アレンジ・DTMガイド』近藤 元著

『ギタリストのための作曲・アレンジ・DTMガイド』近藤 元著

この本の正式タイトルは『オリジナル曲をキッチリ作りたい ギタリストのための作曲・アレンジ・DTMガイド』です。「ギタリストのための」と書かれてありますが、内容は特別、ギタリスト向けということではありません。

見開き1テーマになっていますので読みやすいです。また、付属CDも付いていますので、理解しやすいでしょう。

作曲からアレンジまでの流れをサラッと学習できる本です。

具体的に言うと、メロディの作り方から始まって、コード進行の作り方、ドラム・ベーストラック、上ものトラック作成、レコーディング、ミキシングまでです。

譜面やイメージ図、DAWソフトの設定画面等が載っているので、視覚的にもわかりやすいです。

詳しい理論的なことは解説されていません。あくまで、作曲やアレンジのアイディア・チップス的な情報が中心です。

巻末付録として、コード進行集やジャンル別のリズムパターン集が音源付きで読めるので、とても役立つと思います。

『思いどおりに作詞ができる本』田口 俊著 [オススメ!]

『思いどおりに作詞ができる本』田口 俊著

ハイボールのCMでもおなじみの「ウィスキーが、お好きでしょ」など、約900曲もの作詞を担当された田口俊さんの作詞の仕方が学べる本です。

こちらの本では、「自由に書くためには基礎(型)を知ることが大切」というスタンスで書かれています。個人的にもこの考えには非常に賛同できます。

作詞にかかわらず、あまり慣れていない人は自分の色を出そうとしすぎて、程度が過度になってしまう傾向があります。

せっかくだから良いものを作ろうするあまり、すごいドラマチックに仕上げてしまいます。

こちらの本を読んで「作詞の基礎」とは何かを知り、そしてその基礎に沿って作り続けていく、場数を踏んでいくにつれ自分の色を出していくという風に手順を踏んでいくことをお勧めします。

作詞は自分の気持ちを文字にぶつけて、一人でコツコツとやるというイメージがあるかと思いますが、

作詞は自分の気持ちを書いてはいけない

作詞はとてもたくさんの人数のチーム・プレーである

という考えの基で書かれており、従来の作詞のイメージを覆すような内容になっています。

作詞に必要なエッセンスは第1章に集約されています。30ページほどですが、内容は非常に濃いように思います。

第2章以降はQ&A方式で、作詞における疑問と筆者の答えが載っていますので、参考になるだろうと思います。

曲はできたから詞もやってみたいという方はぜひこの本を手に取って、作詞の基礎を学んでみてください。

『作詞少女~詞をなめてた私が知った8つの技術と勇気の話~』仰木日向著

『作詞少女~詞をなめてた私が知った8つの技術と勇気の話~』仰木日向著

こちらの本は「作曲少女」の続編で、今回は作詞版です。

友達のバンドのオリジナルソングの作詞を任されたがいまいち不評だった主人公の江戸川悠が、現役プロ作詞家で同じ高校に通っているSiEこと伊佐坂詩文に作詞の技術を学ぶという内容です。

前作と同様ストーリー仕立てになっているのでわかりやすいという反面、作詞の重要事項だけを知りたいという人はストーリーも追わなければならないため、遠回りに感じるかもしれません。

作詞のエッセンスは本書の前半辺りで終わってしまい、伊佐坂詩文もこれ以上教えることはないというように江戸川悠を突き放してしまうので「えっ、これで終わり?」と思いきや、それから後が本当の作詞の核心部分に入っていきます。

その内容については本書を読んでみてください。

本書では、詞というのは「音楽語の日本語訳」というような説明がなされています。

誰にでも同じように理解できるわけではないメロディ(音楽語)に、詞という日本語訳があることでみんなで内容を共有できるという考え方には個人的に斬新に感じましたし、また納得いくところでもありました。

また作詞において共感を得るためにはただ単に小説や映画など、同じストーリー性があるものから身に付けるのではなく、一見詞に関係ない分野からも学ぶべきというところにも意外性があり、勉強になりました。

作詞においての参考文献もありますので、興味のある方は是非ご覧ください。

ちなみにストーリーの最後には、作曲少女の「山波いろは」と「黒白珠美」の2人も出てきます。

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