ここではソング全体に関する機能について見ていきます。
たくさんありますが、Studio Oneで作曲するにあたって必要なところなので細かく見ていってください。
拍子
拍子の設定(変更)
拍子は新規ソング作成時に設定できますが、後からでも設定(変更)できます。
拍子の設定は画面下の「拍子」から可能です。

分母・分子の数字のところをクリックするとそれぞれ数値を設定できます。

楽曲途中からの拍子の変更
楽曲の途中で拍子を変更することもできます。
まずは拍子を変えたいポイント(小節)に再生ヘッドを持って行きます。

そしてそのまま画面下の「拍子」の値を変えるだけで構いません。例えば「4/4」から「2/4」に変えてみました。そうすると、11小節目を起点に明らかに小節の間隔が狭くなっているのがわかります。

別の方法として、トラックが表示されているところの上にある「グローバルトラックを表示」ボタンから『記号』を選択します。

「記号」というラインが表示されますので、そこにある「+」マークをクリックします。そうすると、「拍子を挿入」というところがありますのでそれを押します。

「拍子を挿入」ダイアログが表示されますので、そちらで目的の拍子を設定すると、指定したところから拍子が変わります。

キー(調)
キーの設定(変更)
Studio Oneではキー(調)の設定もできます。拍子と同じく画面下の「キー」というところで設定可能です。

「キー」のところをクリックすると、メジャーキーだけでなくマイナーキーも設定できるようになります。

キーを設定しておくと、ピアノロールでキーに合った音に補正してくれる機能が使えるので何かと便利です。
楽曲途中からのキーの変更
音楽では途中からキーが変化する「転調」も珍しくありません。Studio Oneでも途中からキーの変更が可能です。
方法は拍子と同じく、まずはキーを変えたいポイント(小節)に再生ヘッドを持って行きます。

トラックが表示されているところの上にある「グローバルトラックを表示」ボタンから『記号』を選択します。

「記号」というラインが表示されますので、そこにある「+」マークをクリックします。今度は「調号を挿入」というところを選択します。

そうすると、新たな調を選べます。

ここでは「Ab」を選んでみます。そうすると、記号のラインのところで「Ab」が表示されます。

テンポ
テンポの設定(変更)
テンポも画面下から設定(変更)可能です。

数値をクリックすると青く反転しますので、この状態で目的の数値を入力します。

楽曲途中からのテンポの変更
楽曲途中からテンポを変更することもできます。
トラックを表示している上にある「グローバルトラックを表示」ボタンをクリックして、『テンポ』を選択します。

そうするとテンポのラインが表示されます。グレーの横線が現在のテンポ数値(ここでは120)を示しています。

そして、テンポを変えたいところの線上をクリックすると、そこに分岐点が設置されます。

この分岐点を上か下にドラッグすると、起点から滑らかにテンポが変化します。これを利用して「リタルダンド(だんだん遅く)」「アッチェレランド(だんだん速く)」を表現することができます。


小節
小節の追加
Studio Oneでは任意のところで小節を追加することができます。
まずはメニューバーの「編集」から『無音を挿入』を選択します。

そうすると「無音を挿入」ダイアログが表示されます。

小節を追加する「スタート」値と「エンド」値を決めます。
最初の5桁の数値が小節番号になっています。数値部分をドラッグするかクリックすると変更できます。
上図なら9小節目から17小節目(16小節目終わり)に小節を追加することになります。これでOKを押すと指定部分空白が作られます。

指定区間にあったイベントはすべて右へずれます。
小節の削除
一方、小節を削除したい場合は同じくメニューバーの「編集」から『時間を削除』を選択します。

こちらもどこから(スタート)どこまで(エンド)削除するのか指定し、OKを押します。

すでにイベントが配置されている小節を指定すると、その部分のイベントも消えてしまうので注意してください
音量(ボリューム)の調節
各トラックの音量の調節
各トラックの音量の調節は、トラック名が書かれている下のところから可能です。

ただし全体を俯瞰して調節した方が何かと便利です。その場合はコンソール画面から行います。
コンソール画面は、画面右下の「ミックス」をクリックすると表示されます。

そうすると、すべてのトラックをまとめてみることができます。

コンソール画面で、各トラックの「フェーダー(ボリュームスライダー)」で音量を調節できます。

各フェーダーの下にトラック名が書かれているので、これで各トラックごとに調節して全体のバランスを調整していきましょう。

全体の音量の調節
各トラックごとではなく、楽曲全体の音量調節も可能です。
同じコンソール画面の一番右端に、「メイン」とかかれたフェーダーがあります。このフェーダーが楽曲全体のボリューム(マスターボリューム)になります。

マスターボリュームは画面下部にもあります。

最終的にすべてのトラックが合わさると音量が大きくなりノイズが発生するので、トラックごとの相対的な音量は維持したまま、全体の音量を上下させることができます。
ノイズが発生している場合は、画面下のところが赤く点灯します。

赤いところをクリックすると消えますので、何度も再生してここが赤くならないように、各トラック/全体の音量調節をしていきましょう。
楽曲途中からの音量の調節
曲の途中で音量を変えることができます。
まずは、ボリュームを変更したいトラック名上で右クリックを押して、「オートメーションを表示/隠す」を選択します。

続いて、トラック表示部分中央の「表示:オフ」をクリックして、『ボリューム』を選択します。

そうすると、波形上に青い線が表示されます。

この線上をクリックしてポイントを作ります。そのポイントがボリュームの変わり目となります。わかりやすくするため、極端にボリューム調整をしてみました。

そうすると、実際の音声も同じように動きます。
トラックのソロ(S)ボタン右側にある「オートメーションモード」を『ライト』に変えると、再生しながらフェーダーを使ってボリューム調整が可能です。

再生しながらそのトラックのボリュームスライダーを動かすと、リアルタイムでボリュームが変更されます。

Pan(定位)の調節
最後にPan(定位)の調節について見ていきます。
Pan(定位)とは
「Pan(定位)」というのは、音の位置のことをいいます。
既定のままですと、各トラック(楽器)が前方からしか聴こえないようになっています。そこで、各トラックのパン(音の位置)を左右に割り振ってあげます。
ここで、パンが中央になっているもの、最大限に左に割り振ったものと、右に割り振ったものの3つを聴き比べてみてください。イヤホン等で聴くとわかりやすいです。音量にはくれぐれも注意してください。
【Pan中央】
【Pan左】
【Pan右】
このように、楽器によって左右に割り振ると、全体的な音量が中央・右・左に分散され、不要な濁りを軽減することができます。
各トラックのPan調整方法
「パン」はコンソール画面で調節できます。まずは、画面右下にある「ミックス」をクリックします。

「Pan」の調節はコンソールにある左右のスライダー(下図赤枠)から可能です。

このスライダーを左右にスライドさせることによって、音の位置が左右に動きます。

下に表示されている数値が音の位置を数値化したものです。 「L〇〇」になっている場合は左に音が寄っている状態で、「R○○」になっている場合は右に音が寄っている状態になります。中央になると「C (center)」になります。
この数値上をクリックすると、直接数値で指定することができます。 中央に戻したい場合は「C」と入力します。
楽曲途中からのPanの調節
曲の途中でPanを変えることができます。
まずはPanスライダー上で右クリックをし、「オートメーション ”パン”を編集」を選択します。

オーディオ素材の場合、波形上にパンのラインが表示されます。

黄緑の線が現在のPanの位置です。線の位置がそのままPanを示しています。この場合、線が中央にあるので真ん中で音が鳴るようになっています。
※これを上下にドラックするだけでも、パンを左右にできます
線上をクリックするとPanの切り替えポイントが挿入されますので、変更したいところにポイントを設置していきます。
ポイントをドラッグすると滑らかにPanが移動します。上へドラッグするとPanは左に、下へドラッグするとPanは右へ移動します。

右に行ったり左に行ったりと忙しないですが、どのような感じになるか聴いてみてください。
頭の中で、音が駆け巡っているような不思議な感覚を覚えます。