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『転調テクニック50』梅垣ルナ著
『転調テクニック50』梅垣ルナ著
基本的に音楽は一つの調(キー)に従って作られます。
そうすることで一つの「まとまり感」を出すことができます。
ただ、時折もっとドラマチックにしたい、もっと雰囲気を変えたいという場合もあります。
そういう場合は「転調(楽曲の途中で調を変える)」がおすすめです。
しかし、どうやって転調してよいかわからない、転調させてみたものの、転調前と転調後のギャップが大きすぎて自然な変化にならないという方も多いはず。
そういう場合はこの「転調テクニック50」が役立ちそうです。
このタイトルの通り、転調の参考例が50種載っていますので、参考になりそうなものを選んで自分の作品に生かすことができます。
こちらに掲載されている転調は、ドミナントモーションやセカンダリードミナント、裏コードを介したものが中心となっています。
その他にも平行移動(平行和音)やピボットコード(転調前と転調後に共通するコード)を使った転調もあります。
2度音程や3度音程移動するもの、4度音程や5度音程移動するものなの様々です。
また、マイナーキーからメジャーキーへの転調例も載っています。
この本を読むと、やり方次第ではどんな調へも転調できるということがわかると思います。
譜例もありますし、サンプル音声も付いています。
サンプル音声はメロディやドラムトラックも付加されている状態なので、よりイメージがしやすいのではないかと思います。
さらにMIDIファイル付きですので、お持ちのDAWで内容を分析したり、一部を使ったりできそうです。
※もちろんこれをこのまま使うのは著作権にひっかかります
作曲に慣れていない方はできるだけ1つのキーに絞って実力をつけた方が良いですが、ある程度実力が付いてくると転調も一つの選択肢として持っておいた方が良いでしょう。
著者の梅垣ルナさんは過去の著書でも転調を多用したコード進行例を紹介されていたので、転調が好きな方なんだなと思っていましたが、まさか転調のみに絞った本を出されるとは思いませんでした。
転調に絞った本がこれまでなかった(と思いますが)ので、今現在作曲の勉強をされている方にとっては非常に有効だといえます。