作曲本レビュー トップ > 『DTMによるオーケストレーション実践講座』
『DTMによるオーケストレーション実践講座』侘美秀俊著
『DTMによるオーケストレーション実践講座』侘美秀俊著
「オーケストレーション」という言葉をご存知でしょうか?
これは、オーケストラ(管弦楽)用に作曲や編曲することをいいます。
この本は、DTMでそのオーケストレーションする方法について言及されたものです。
本書の最初では、DTMソフトを使うことのメリットや注意点など書かれていて、
やはりあまりDTMが一般的でなかった当時の風潮がなんとなく感じます。
最初はエリック・サティの『ジュ・トゥ・ヴー』をサンプル曲として、
弦楽四重奏、木管楽器や金管楽器、室内オーケストラへのトランスクライビング(楽譜化)例
が紹介されています。
本書に対応しているサンプル音源が下記のページから試聴できます。
http://takumi.air-nifty.com/orchestration/cat7279029/index.html
どの音をどの楽器に担当させるか、ボイシング方法やアーティキュレーションなど
オーケストレーションのポイントとなるテクニックが至る所で紹介されています。
ただし、DTMで再現出来る部分には限度があるのも事実なので、
この本を読んだからといって、すぐに音が変わる訳ではありません。
やはり、事細かなニュアンスは実際に生音を聴いて、
自分なりのテクニックを見つけていくしか方法はないように思えます。
特に複雑な音楽用語や理論的なことが書かれている訳ではありませんので、
初心者の方でもスラスラ読める内容でしょう。
オーケストラに興味のある方は、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。