作曲本レビュー トップ > 『使える! コード理論 丸暗記不要のクリエイター向けレッスン』

『使える! コード理論』石田 ごうき/大浦 雅弘/熊川ヒロタカ著

『使える! コード理論 丸暗記不要のクリエイター向けレッスン』石田 ごうき/大浦 雅弘/熊川ヒロタカ著

こちらの本は、『倍音』をキーワードとして「コード理論」を丁寧に解説した内容になっています。

倍音というのは各音にわずかに含まれている成分のことで、例えば「ド」は単に「ド」だけが鳴っているのではなく、その奥に複数もの音の成分が含まれています。

この倍音の作用が心地よい響きのコード、コード進行が生まれたという見方(「倍音主義」というオリジナルワード)で構成されています。

基本的にコード理論を勉強する場合、理屈よりも結果のみで解説されることが多いですが、この本はかなり理屈に重きを置いているので、「なぜコードは3度で重ねるのか」「なぜこういうコード進行が良いのか」等、理屈部分に興味ある方はお勧めできます。

ただ、個人的には最初は理屈抜きで「コードとはこういうもの」「コード進行はこういう風に並べることが多い」という風に結果に目を向けた方が効率が良いと思っているので、ある程度コード理論について学んだ方の方がお勧めできます。

内容自体は会話文のような感じで構成されていて、ところどころ砕けた感じになっていますし、割と余白が多めに使われていて、図やサンプル素材等も豊富にあるので読みやすく感じました。

基本的なコードから、応用的なセカンダリードミナントやディミニッシュコード、転調、テンションなど幅広くカバーされています。
※テンションは一般的なコード理論とは一線を画し、かなり独特な見解ですが、そういう意図のもとで行われているようです

また、各コード一つ一つどういったコードにつながっていく、どういうコードからこのコードにつなげると良いかが細かく提示されていて、コード進行を作る際の参考になろうかと思います。

ただ、あまり「この本ではこのコードの次はこのコードは無理なのでやめとこう」という風にしすぎるとお決まりなものになってしまいがちになりますので、あえて書いていないけどこういう風にしてみては?という冒険心も合っても良いかなと思います。

何となく装丁は初心者の方でも手にしやすく感じますが、中身は割と難易度が高めなので、初心者の方にはちょっと難しく感じられるかなと思います。ある程度コード理論を勉強されてきて、より知識を深めたいという方に向いているだろうと思いました。


『使える! コード理論 丸暗記不要のクリエイター向けレッスン』石田 ごうき/大浦 雅弘/熊川ヒロタカ著
『使える! コード理論 丸暗記不要のクリエイター向けレッスン』石田 ごうき/大浦 雅弘/熊川ヒロタカ著