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『ハモンド・オルガン コンプリート・メソッド』Dave Limina著
『ハモンド・オルガン コンプリート・メソッド』Dave Limina著
ジャズやファンクで多用され、またロックやポップスでも使われる「ハモンド・オルガン」。
※「オルガン」というと「パイプオルガン」をイメージするかと思いますが、パイプの方ではありません
パイプオルガンに限らず、オルガンに関する本は少ないですが、ハモンド・オルガンの教科書ともいうべきなのが『ハモンド・オルガン コンプリート・メソッド』です。
ハモンド・オルガンの特徴といえば、やっぱり「ドローバー」ではないでしょうか?「ドローバー」というのは倍音を調節するモジュールです。
基本的に音には「基音」と「倍音」があります。
例えばドを鳴らしたとき、多くの人はドだけが鳴っていると思われていますが、実際にはド以外の音も鳴っています。
そのド以外の音が倍音です。
※実際にはオクターブ違いのドやソなど
通常の楽器なら不可能ですが、その倍音をドローバーで機械的に調節することができますので、同じドでも色んな種類のドの音を鳴らすことが可能です。
またそれが「ハモンド・オルガン」の長所であり、面白いところと言えます。
この本の中ではジャンルやタイプ別に応じたドローバーのセッティング例が掲載されているので、「それらしい」音を再現することができます。
エクササイズ用として、譜例が載っています。
参考例としてサンプルCDがありますし、マイナスワンも収録されていますので、実際の演奏への助けになるでしょう。
また、この譜例のボイシングやベースの動きを参考に、自作曲に役立たせることができますので、演奏用だけでなくアレンジ用としても使えます。
数少ないハモンド・オルガンの本なので、自作曲にオルガンを入れたい人は持っておいて損なしです。
『ハモンド・オルガン コンプリート・メソッド』Dave Limina著