DTMを始めるにあたって、「最初はどんなものが必要?」「あれもこれもたくさん用意しないといけないのかな?」と、色々疑問がおありだと思います。
ここでは、これからDTMを始める方に向けて、「最初に絶対に必要なもの」と「必要かどうかは人によるもの」について見ていきます。
最初に絶対に必要なもの
DTMを始めるにあたって最初に絶対必要なものは次の4点です。
- パソコン
- DAW (作曲ソフト)
- パソコン用キーボード / マウス
- イヤホン・ヘッドホン・スピーカーのいずれか
それでは1つずつ詳しく見ていきます。
パソコン
「DTM (DeskTop Music:デスクトップミュージック)」は、一般的にパソコンで行う作曲のことを指しますので、まずはパソコンが必要です。
今ではiPadなどのタブレット端末でもアプリを使って作曲ができますが、本格的な作品を作っていくためには遅かれ早かれパソコンが必要になってきます。
パソコンはノートパソコンでもデスクトップパソコンでも構いませんので、自分がやりやすいと思う環境のものを選択しましょう。
ただ、作業のしやすさや価格といった点を考えるとデスクトップ型の方がおすすめです。
そういったことについては下記をご参照ください。
パソコンは何もDTM用に新調しなくても、今現在お持ちのものがあればそれを有効活用してみてください。
作曲系ソフトはそれなりにパソコンスペックが要求されますが、ここ数年のパソコンスペックは格段に上がっていますので、相当古いパソコンでもない限り問題なく動作すると思います。
DAW (デジタルオーディオワークステーション)
パソコンに続いて必要になるものが「DAW (Digital Audio Workstation:デジタルオーディオワークステーション)」です。
DAWは簡単に言うと“作曲ソフト”のことです。
DAWは各社から販売されていて、メジャーなものでは下記のソフトになります。
- Cubase
- Studio One
- Logic Pro (Macのみ)
- Pro Tools
- Ableton Live
- FL Studio
- ABILITY
細かな違いはあるものの、基本的な機能はある程度共通していますので、どのDAWを選んでも構いません。
それぞれのDAWの特徴については下記をご覧ください。
ただ、いきなり有料のものに手を出すのは抵抗がある方も多いはずです。
ですので、最初は積極的に無料のDAWを使ってみましょう。無料のDAWとしてはお勧めなのが下記の2つになります。
- Studio One Prime ←Studio Oneの無料版
- GarageBand (Macのみ) ←Logic Proの下位グレード
Studio One Primeは別途インストール作業が必要です。インストールについてはコチラを参考にしてください。
マウス / パソコン用キーボード
DAWを操作する場合にはパソコン用のキーボードやマウスはあった方が良いです。
DAWの操作で、ボタンを押したりドラッグ&ドロップをする機会があるので、そういった操作にマウスは非常に便利です。
また、文字を入力する機会も何かとあるのでキーボードも必要です。
ただ、マウスとキーボードについてはおそらくお持ちの方が多いだろうと思います。今お持ちのものをそのままお使いください。
イヤホン・ヘッドホン・スピーカーのいずれか
作曲に当たっては、自分の作っている曲をしっかり聴くことも大切です。
パソコン内蔵のスピーカーでは音が平面でゴチャっとした感じになるので、細かな調整ができません。
ですので、別途イヤホンやヘッドホン、スピーカーが必要になります。
イヤホンやヘッドホンなら大抵の方がすでにお持ちではないかと思いますので、最初は手持ちのものを使っていただいても良いでしょう。
ただ、ものによっては低音や高音部分が意図的に持ち上がるような設計がされていて、純粋な音になっていない場合があります。
できればそういった雑味を消した「モニターイヤホン」「モニターヘッドホン」「モニタースピーカー」を用意するようにしましょう。
最初はイヤホン・ヘッドホン・スピーカーのいずれかで構いませんが、今後細かな調整を行うためにスピーカーは持っておいた方が良いです。
ちなみにですが、Bluetoothで接続するタイプのイヤホンやヘッドホン、スピーカーもありますが、DTM用途としてはおすすめできません。
必ず有線のものを使うようにしましょう。その理由については下記をご覧ください。
必要かどうかは人によるもの
ここからは必須というわけではなく、人によって必要か必要でないか分かれるものです。
内容を見て、特に必要だと感じなければ用意しなくても構いませんし、後から準備しても構いません。
オーディオインターフェース / マイク
DTMの解説書等で、最初に必要だとされるものに「オーディオインターフェース (上図のような機械装置)」がよく挙げられています。
オーディオインターフェースというのは、ボーカルや生楽器などのアナログ音声を、パソコン(DAW)内で扱えるようにするためにデジタル音声に変える機械です。
簡単に言うと、ボーカルや実際の楽器をDAW内にレコーディングするために必要なものです。
ですので、ボーカルや楽器のレコーディングを想定していない場合は不要ですし、レコーディングが必要になってから買っても遅くはありません。
ちなみに、オーディオインターフェースがなくてもパソコン内蔵のマイク端子から録音できなくもないですが、パソコン内蔵のマイク端子を使うと、録音とデジタル化の処理にタイムラグ(レイテンシー)が生じてしまいます。
こういったタイムラグを防ぐには「ASIO(アジオ)」という規格に対応したオーディオインターフェースが必要になります。
ASIO対応のオーディオインターフェースでも、気にならないレベルのレイテンシーは発生することがあります
一昔前だと、MIDIを扱う場合(ソフトウェア音源を使った入力)にも目立ったレイテンシーが発生していたので、たとえレコーディングしない場合でもASIO対応のオーディオインターフェースが必要でした。
しかし、今ではWindows / Mac標準のオーディオドライバでもASIOと同等の低レイテンシーになっています。
ですので、レコーディングをせず、作曲ソフトのMIDI機能のみで完結する場合はオーディオインターフェースは不要と思ってもらって大丈夫です。
MIDIキーボード
こちらもよくDTMの解説書等で最初に必要とされているものですが、「MIDIキーボード」というピアノの形をした機材があります。
通常のキーボードと違うのは、「MIDIキーボード」には音源がないのでそのままでは音が出ません。
パソコンにつないで、DAW上の音源を使って音を出すという形になります。
「MIDIキーボード」が最初から必要な方は、主に鍵盤を使ってレコーディングしたい方です。
ピアノが得意でない方は最初はなくても構いません。音自体はマウスでも十分入力できます。
ピアノに慣れていない方、作曲に慣れていない方は、むしろ最初は使わない方が良いと思っています。
そういったことへの理由については下記をご覧ください。
有料のソフトウェア音源
「DAW」のところでも見たように、DAWには音源(バーチャル楽器)があらかじめ付属しています。
ですのでDAWをインストールさえすれば、付属の音源を使って作曲できるようになっています。
最初は付属音源のみでの作曲でも構いません。
ただ、残念ながらDAW付属の音源はかなり安っぽい音になっています(無料DAWならなおさら。ただし有料のプロ向けDAWならリアルな音源も付属しています)。
だんだんと作曲数が増えていく中で、もっと各楽器の音質に対してこだわりを持ってくるだろうと思います。
そうなったときに、よりリアルな有料の音源を検討してみてください。
※ちなみに、Studio One Primeでは別売り音源が使用できません
まとめ
以上見てきたように、DTMを始めるにあたって最低限必要なものは次の4点です。
- パソコン
- DAW (作曲ソフト)
- パソコン用キーボード / マウス
- イヤホン・ヘッドホン・スピーカーのいずれか
これ以外については最初の段階では必要ありません。
作曲に慣れてきたときに必要なものをそろえるという感じで全然大丈夫です!
ただ、最初からボーカルや楽器レコーディング主体の作曲を想定されている場合は、この4点に加えオーディオインターフェースとマイクが必要になります。
また、鍵盤楽器の演奏が得意で、そのままレコーディングしたい方はMIDIキーボードを用意しておくと効率的に作曲ができます。
以上参考になりましたら幸いです。