作曲本レビュー トップ > 『最後まで読み通せる音楽理論の本』
『最後まで読み通せる音楽理論の本』宮脇俊郎著
『最後まで読み通せる音楽理論の本』宮脇俊郎著
こちらの本は「音楽理論書は難しい」というイメージを払拭するために書かれたといっても過言ではありません。実際の講義の録音を基に作成され、先生と生徒の会話形式になっている内容になっています。
初めて音楽理論を学ばれる人にとっても、スムーズに読み進めることができそうです。
ただ、著書がギタリストということもあり、ギタリストの視点から書かれています。そういったことから、ギターを使った説明が多く見受けられますので、ギターの知識がないと難しく感じられるかもしれません。
今現在ギターを弾いている人には非常にお勧めです。
ギターといえばコード(和音)ですね。コードを鳴らすための楽器といっても良いでしょう。
ギターはコードごとに大まかな定型フォームがあるので、特にコードの意味や成り立ちもわからなくても弾ける楽器です。
「CM7」の「7」って何の意味?コードネームの「M7(△7)」と「7」はどう違うの?などなど、疑問を感じながらただダイアグラムに沿って弦に指を置いている方も多くいらっしゃるでしょう。
そういったコードネームの数字意味を知ることができるので、意味も分かりながら演奏できるようになります。
カバーしている内容は、通常の楽典的な部分(五線・音名・拍子等)が少しと、ダイアトニックコードが中心になっています。
応用的なコードとしてはセカンダリードミナントが紹介されています。
また、通常の初心者向けの音楽理論書ではあまり言及されていない「ペンタトニックスケール」や「モード(通常のメジャースケールやマイナースケールとは違うスケール)」についても言及されています。
ペンタトニックスケールやモードはギターのアドリブを行う時に必要な知識なので、おそらくギターを意識しているためだと思います。
音楽理論を学ぶと個性が失われるのでは?、音楽理論を学んだことで演奏がうまくなるのか?という著者なりの考えも載っていますので、今現在音楽理論を学ぼうか悩んでいる方にも参考になるでしょう。