MIDIで一番表現しにくいと言われる「ギター」。
ギターを弾かない方や、周りにギターを弾ける人がいない方はギター音源に頼らなければなりません。
ただ、ギターを弾かない人にとっては、「どんなギター音源を選んだら良いかわからない…」「色々ギター音源を使ってみたけど結局今一つ使いきれなかった…」という方も多いはず。
そんな方にぜひおすすめしたいのが今回紹介する「Strum Guitar」です。
音質、使いやすさ、コスパ、どれをとっても満足できます。
ここでは「Strum Guitar」とはどんなソフトなのか、良いところや残念な点についてもご紹介していきます。
※試奏動画もあります
「Strum Guitar」の概要
「Strum Guitar」はWavesfactory社が開発するギター専用音源です。
収録されているギターは「エレクトリックギター」「アコースティックギター」「12弦エレクトリックギター」「12弦アコースティックギター」のなんと4台!
画面上のギターの画像をクリックすることで、それぞれの楽器の出音を手軽にオン・オフできるようになっています。
また、ミキサー画面で個別にパンを振り分けたり、音量も個別に調節できるようになっています。
エフェクト操作も各楽器個別に操作することも可能になっているので、音を作りこみたい方にも満足いただけます。
演奏面についてですが、下図のようにキーマッピングに対応しています。
コード音を指定して、ダウンストローク・アップストロークのキーを押すだけで伴奏が作れるようになっていますので、手軽にギターバッキングが作れます。
ここがイイ!「Strum Guitar」
私が一押しする「Strum Guitar」の特長は大きく次の4つです。
それでは1つずつ見ていきます。
音がいい
やはりせっかく専用音源を買うなら音の良さは大切です。いくら操作性が良くても音が良くなかったら意味がありません。
Wavesfactoryでは「Strum Guitar」を使用したサンプル集曲を用意していますので、ぜひ聴いてみてください!
音の良さがわかるはずです。
直観的操作が可能で、ガイドブックいらず
ギター音源を購入したものの、結局使いきれなかったらどうしようと不安を感じる方も多いはずです。
Strum Guitarは画面からわかる通り、めっちゃシンプルでスマートです。
ですので、直観的にここをこうしたらこうなるだろうと予想ができます。
これまで他のギター音源や、他の楽器のソフト音源を使ったことがある方なら、おそらくガイドブックがなくても操作できるのではと思います。
ちなみに私が購入したPlugin Boutiqueでは英語版のガイドブックが付属していますが、たったの20ページ程度です。
つまりソフト自体、それだけシンプルに構成されているということがわかります。
下記から大まかな使い方も見ることができます。これを見たら使いやすそうだと思っていただけるはずです。
伴奏が作りやすい(試奏動画あり)
折角ギター音源を購入したものの、伴奏を作るのが非常に面倒だったら意味がありません。
Strum Guitarではキーマッピングを利用して、簡単にコードが演奏できるようになっています。
下図の水色のキー(G0~G2)でコードを指定し(例えば「ド」「ミ」「ソ」を押す)、そして白いキーのミ(E4)を押すとコード「C」のダウンストロークになり、ファ(F4)を押すとコード「C」のアップストロークになります。
また、「SEQUENCER」モードを使えば、あらかじめ伴奏を作っておくことができます。
下図の赤枠のところがベロシティ(弦をかき鳴らす強さ)になっていて、青枠がダウンストロークなのかアップストロークなのか指定できます。
※ミュートを指定することも可能です
また、1枠1枠の長さも変更できるようになっているので、8ビート系や16ビート系などのバッキングを作ることができます。
ジャンル分けされたバッキングプリセットも用意されていますので、ギターバッキングに詳しくない方でも安心です。
実際にこの「SEQUENCER」モードで試奏してみました。
コード進行は「C ⇒ Am ⇒ Dm ⇒ G」でバッキングパターンをいくつか鳴らしています。後半ではドラムループも一緒に鳴らしています。
コスパ良し
通常ギター専用音源は、だいたい2~5万円程度しますが、Strum Guitarはなんと1万円台!
為替相場にもよりますが、1万円台前半を推移しています。
しかも概要のところでも紹介したように、「エレクトリックギター」「アコースティックギター」「12弦エレクトリックギター」「12弦アコースティックギター」の4台も付いてですよ!
個別に買っていったら通常なら10万程度はします。
これまで見た「音質」「使いやすさ」を考えたら1万円台ってコスパ良すぎます。
「Strum Guitar」の残念なところ
私自身Strum Guitarを実際に使ってみて感じた、残念なところは次の3つです。
それでは1つずつ見ていきます。特に3つ目はとても重要なので、必ずご覧ください。
一部コードがない
Strum Guitarに収録されているコードサンプルは、「メジャー/マイナートライアド」「メジャー/マイナー7thコード」「6thコード」「add 9thコード」になっています。
ポップスなどで多用される「Sus4コード」や、ジャズなどで多用される「ディミニッシュコード」が含まれていません。
ですので、自分が作ったコード進行によってはStrum Guitarですべてのコードが再現できないといったことが起こりえます。
コードチェンジが若干不自然
Strum Guitarでは、あるコードから別のコードへ変化する場合、いかにも切り替わりましたというような変化をすることがあって、やや機械っぽさを感じます。
もう少し滑らかなコードチェンジをしてくれると良かったかなと思います。
単音には弱い
Strum Guitarはその名の通りストラム(コード音をかき鳴らす)向けの音源ですが、実は単音モード(「Notes」ファイル)もあります。
しかし、実際にはおまけ程度で、フィンガーノイズ(弦をスライドした時のノイズ)はあるものの、ギター特有の奏法(ハンマリングやプリングオフなど)は用意されていません。
KONTAKT上でしか使えない (これめっちゃ大事!)
Strum Guitarは残念ながら誰でも使える音源ではありません。
Strum Guitarを使うには、Native Instrument社の「KONTAKT」という別ソフト(有料)が必要になります。
「KONTAKT」には無料で使える「KONTAKT Player」というものもありますが、Strum Guitarは「KONTAKT Player」では使えない仕様になっています。
ですので、Strum Guitarを使いたいと思ったら、まずは「KONTAKT」を購入しなければなりません。
さいごに
ギターをMIDIで再現するには限界がありますので、ギターが弾けない方、周りにギターが弾ける方がいない場合は、いずれはギター専用音源を使わないといけない時が来ます。
ギター音源と言えば、MusicLabの「Real 〇〇」シリーズや、Ample Soundの「Ample Guitar」シリーズがありますが、安くて手軽に操作できるということなら私はこの「Strum Guitar」がダントツだと思っています。
ただ、Strum Guitarは有料版の「KONTAKT」がないと使えませんので注意してください。
また、Strum Guitarを手に入れるには今のところ「SONICWIRE」と「Plugin Boutique (プラグインブティック)」からとなっています。
Plugin Boutiqueは海外向けサイトではあるものの、次回購入時に使えるVirtual Cashがもらえたり、無料でプラグインをもらったりできます。
※無料でもらえるプラグインは月によって変わります
ですので、個人的にはPlugin Boutiqueで購入されることをおすすめします。
以上、こちらの記事が参考になりましたら幸いです。