FL Studioを忖度なしで勝手にレビューしてみました。FL Studioをご検討の方に参考になる部分がありましたら幸いです。
FL Studioの概要
【FL Studio データ】
- メーカー:Image Line
- OS:Win / Mac両対応 (Mac版は一部使用できない機能あり)
- グレード:Fruity / Producer / Signature / All Plugins Edition
- 価格:Fruity 12900円 / Producer 25900円 / Signature 39000円 / All Plugins Edition 61700円 (本国サイト価格 / 記事執筆時)
- MIDI:ピアノロールのみ
- オーディオ:入出力対応 (Fruity除く)
- 総容量:4GB以上
- トラック数:MIDIトラック・オーディオトラック500トラック
- その他:フリートライアル版〇 / アカデミック版× / クロスグレード版〇
※クロスグレード版についてはこちらをご覧ください - 初心者の方へのオススメ度(5段階):★
FL Studioは次のような方にオススメ!
- ループメインの作曲スタイルを想定している方
- バンド系よりもダンス系の作曲がしたい方
- すでに別のDAWを持っている方
- 英語に自信のある方
- バージョンアップ費用をなんとかしたい方
Fl StudioはベルギーのImage Line(イメージライン)社のDAWです。
元々はWindows版のみでしたが、バージョン20へのバージョンアップによりMac版に対応しました。しかし、Mac版では一部使用できない機能があるなど、今のところどちらかというとWindowsベースのDAWと言えます。
グレードは下位バージョンから「Fruity」「 Producer」「Signature」「All Plugins Edition」で、「All Plugins Edition」は本国サイトで取り扱っています。
基本的に楽器が弾けない人はMIDI機能を使った作曲になることが多いですが、FL Studioではピアノロール機能のみで、スコア(譜面)機能はありません。その他、オーディオ入力対応は可能なのでレコーディングができます(ただし「Fruity」のみオーディオの入出力は不可です)。
トラック数はMIDIトラック・オーディオトラック合わせて500トラックとなっているので大掛かりな作品でも安心です。
FL Studioの「推し」ポイント
ここではFL Studioの良いところ(「推し」ポイント)を見ていきます。
ループメインの作曲
まず、ループメインの作曲に向いているところです。
あらかじめループ素材や自作フレーズを「パターン」として作っておき、そしてそのパターンをプレイリストに並べていって作り上げるという流れになります。
パターンはオーディオでもMIDIでも作れます。
どういう曲にしようか定まっていない場合に、とりあえずパターンだけを作っていって、プレイリストに並べながらインスピレーションを高めるというのに最適です。
パターンを作る際に特に秀逸なのが「ステップシーケンサー」です。
ステップシーケンサー自体は他のDAWにも備わっていますが、多くはMIDI音源を操るものです。
ただ、FL Studioではオーディオ素材でも扱えますので、ドラムのワンショットサンプルをステップシーケンサーに取り込み、簡単にドラムフレーズを作ることができますし、違うメーカーやテクスチャーのワンショットを1つに合わせて作ることができます。
他のDAWのプラグインとして使用できる
FL StudioにはVSTi版やAU版があるので、FL Studio自体が他のDAWの一つのプラグイン音源として使うことができます。
ですので、他のDAWではできないことをFL Studioで、FL Studioで足りない部分は他のDAWでという感じで、”おいしいとこどり”ができます。
同じようにDAW同士を連携するものとして「Rewire」という規格もありますが、「Rewire」は開発が終了してしまったので、FL Studioはそういった点で強みがあります。
ライフタイムアップグレード
「推し」ポイント2つ目として、FL Studioは他のDAWには珍しく「ライフタイムアップグレード」制を導入しています。
ライフタイムアップグレードというのは、今後バージョンアップしても追加費用かからず、新バージョンをいつでも無料でインストールできる制度です。Mac OSやiOSなどと同じようなものです。
他のDAWではだいたい1~3年置きにバージョンアップしますが、バージョンアップしようとするとバージョンアップ代がかかりますので、経済的な負担になります。一方、FL Studioは最初に費用を払えばそれ以後は無料ですので、長く使えば使うほどお得になります。
これからもずっとFL Studioを使っていきたい方は非常にオススメです。
FL Studioの残念なポイント
「推し」ポイントだけでは忖度しているみたいなので、残念なポイントにも言及していこうと思います。
FL Studioの一番大きな残念ポイントはやはり「日本語に対応していない」というところです。メニューはすべて英語表記になっているので、自分の求める機能やコマンドがどこにあるのか探すのに苦労します。
その他、Ableton Liveとも共通していますが、キーボードショートカットのアレンジができないので操作性が悪くなります。
※「Chop chop!」という別ソフトを使うと一部対応できるようです
また、スコア機能がないのも個人的に痛いです。
特に楽譜入力に慣れている方や、後々楽譜にしたいという方はこの時点でFL Studioは選択肢から外れてしまいます。
楽譜にするためにわざわざ別のDAWに取り込まないといけないのなら、最初からスコア機能のあるDAWを使った方が便利かもしれません。
FL Studioの総合評価(5段階)
ということで、FL Studioの総合評価は5段階中・・・
★★
星2コです!
FL Studioの良さはループメインで自分の感性を主体とした作曲ができる点です。また、オーディオ素材対応のステップシーケンサーはめちゃくちゃ使い勝手が良いです!
さらにライフタイムアップグレードでいつ買っても最新バージョンがインストールでき、その後のバージョンアップも無料でできます。
ただ、先ほど言及したように日本語には対応していませんので、ある程度DAW経験がある方、英語に自信のある方、周りにFL Studioを使っている人がいる方など、オススメできる方が限られてしまいます。
ですので、最初のDAWとしてはあまりオススメできないかなというのが率直なところです。
個人的には同じクラブ系・ダンス系を得意とするAbleton Liveの方がオススメかなと思います。
本当にどうでも良い話ですが、FL Studioには「FL-Chan」というマスコットキャラクターがいて、作った曲に合わせて踊ってくれます。
その他のDAWのレビューや、DAWに関するコラムについては下記からご覧いただけます。