Cubaseを忖度なしで勝手にレビューしてみました。Cubaseをご検討の方に参考になる部分がありましたら幸いです。
Cubaseの概要
【Cubase データ】
- メーカー:Steinberg
- OS:Win / Mac両対応
- グレード:AI・LE / Elements / Artist / Pro
- 価格:AI・LE (無料) / Elements 13200円 / Artist 39600円 / Pro 69300円
- MIDI:ピアノロール / スコア(譜面)両対応
- オーディオ:入出力対応
- 総容量:75GB
- トラック数:MIDIトラック・オーディオトラック無制限 (Artist / Proの場合)
- その他:フリートライアル版〇 / アカデミック版〇 / クロスグレード版〇
※クロスグレード版についてはこちらをご覧ください - 初心者の方へのオススメ度(5段階):★★★★★
Cubaseは次のような方にオススメ!
- 無難なDAWを使いたい方
- 多くのユーザーとやりとりしたい方
- サポートが必要な方
- Cubase LEまたはAIを使っている方
CubaseはドイツのSteinberg(スタインバーグ)社のDAWです。
古くからWindowsとMacの両方に対応していたということもあり、国内外幅広く使用されていて、日本国内ではユーザー数が1位のDAWと言われています。
グレードは下位バージョンから「LE・AI」「Elements」「Artist」「Pro」で、「AI・LE」は音楽機材にのみ付属する無料版になっていて、通常では手に入りません。
基本的に楽器が弾けない人はMIDI機能を使った作曲になることが多いですが、ピアノロール機能とスコア(譜面)機能両対応なので、楽譜が苦手な人でも得意な人でもスムーズに作曲に入っていけます。また、オーディオ入力対応もしていますので、そのままレコーディングもできます。
トラック数はMIDIトラック・オーディオトラック無制限なので大掛かりな作品でも安心です(ただし「Artist」か「Pro」の場合)。
Cubaseの「推し」ポイント
ここではCubaseの良いところ(「推し」ポイント)を見ていきます。
国内シェアとサポートの安心感
Cubaseは国内ユーザー数が1位のDAWと言われています。
その理由は多数ありますが、Cubaseの開発メーカーであるSteinberg社は今やDTM業界では当たり前というべき「ASIO」や「VST」を開発した会社で、業界の標準を作ってきた実績があるということで安心感が持てます。
また、Steinberg社の親会社はYAMAHAで、サポートはYAMAHAが行っていることから、日本人にとっては親しみや安心感が持てます。
そういったことから”最初の1本目”としてCubaseを選択する方が多く、そのまま使い続ける方も多いです。
ユーザー数が多いDAWを選んでおくと、わからないことがあってもググればだいたい解決できます(同じ悩みを持っている人は多数いる)。サポートを依頼するとどうしても回答まで時間がかかったりするので、作業がストップし、モチベーションも低下してしまいかねません。
また、ユーザーが多いということはユーザー同士の交流もしやすくなり、ファイルの受け渡しができる可能性も高まります。作曲関連書では、サンプルデータのファイル形式がCubase形式になっていることも珍しくありません。
コード系機能の充実
これは完全に個人的な意見ですが、Cubaseでは各種コード系機能が充実している印象を持ちます。
主なものとしてまずは「コードトラック」。
そして、コードをパッドで演奏できる「コードパッド」。
最後に、コードやコード進行を提案してくれる「コードアシスタント」機能。
音楽理論はコード(和音)理論が中心になっているため、コードの推進力を利用した作曲がやはり重要になってきます。
そういった点からコード機能が充実しているCubaseは初心者の方でもオススメできるソフトと言えます。
無料版AI・LEがある
Cubaseには無料版の「Cubase AI」や「Cubase LE」があります。ともに音楽機材にのみ付属するソフトで、通常では手に入らないのが残念です。
「AI」がYamahaかSteinberg製の音楽機材に付属するバージョン、「LE」は他社製の音楽機材に付属するバージョンになっています。内容はほぼ同じで、作成できるトラック数のみ違います。
機能制限はされているものの、Cubaseのエッセンスは体感できるようになっています。特に期間は制限されていないので、そのままずっと使い続けられます。
Cubase AI / LEの主な特徴は次の通りです。
- ダウンロード容量が75GB
- 音源として「HALion Sonic」「Groove Agent SE」と、ループ素材が付属
- 他社製音源も使用可能
- インストゥルメントトラック(ソフト音源を使ったトラック)は16トラックまで・MIDIトラック48トラックまで・オーディオトラックは32トラックまで(「AI」の場合)
- コードトラック / コードパッド / コードアシスタント使用可
ダウンロードサイズは75GBと、機能制限版とは思えないくらいの容量になっているので、Cubase AI / LEでも充分な内容と言えます。
音源とループ素材も付属していて、Cubase AI / LEでは他社製の音源も使えるようになっています。
トラック数が有料版に比べるとやや限定的であるものの、大掛かりな作品でも作れそうな内容と言えます。
※トラック数はそれぞれAIの方が多くなっています
Cubaseならではのコード機能(コードトラック / コードパッド / コードアシスタント)できるのはかなりうれしいところです。
Cubase AI / LEはオーディオインターフェースや録音機器によく付属しているので、Cubase AI / LEが付属するかどうかで購入する機材やメーカーを絞っても良いかもしれません。
Cubaseの残念なポイント
「推し」ポイントだけでは忖度しているみたいなので、残念なポイントにも言及していこうと思いましたが、これと言ってありませんでした。
強いて言うならアップデート代がかさむという点です。
Cubaseはだいたい1年単位でアップデートするので、毎年アップデート代がかかることになります。
※もちろんそのままアップデートするか、あえてアップデートしないかはその時々の自由ですが
特にバージョン8あたりから「0.5」刻みでアップデートし、たった「0.5」アップするだけでアップデート代がかかっているのはCubaseくらいです。
※Cubase 11以降は「1」ずつのアップに戻っています
ただ、アップデート代がかかるのはどのDAWにも当てはまりますし、バージョンが「1」アップする総額で言うとStudio Oneともそんなに差はありません。
Cubaseの総合評価(5段階)
ということで、Cubaseの総合評価は5段階中・・・
★★★★★
星5コです!
Cubaseはやはり機能面やサポート面での安心感があります。また、国内シェア1位ということもあるので、ユーザー同士の交流もしやすく、アーティスト同士で切磋琢磨できそうです。
これまでCubaseはコピープロテクトとしてドングル(USBメモリのようなもの)を挿さないと使えない仕組みになっていましたが、バージョン12からはドングルが不要になりました。
そのため、ノートパソコンでも使いやすくなったので、今後もユーザー数を延ばしていく可能性は大きいです。
初めて有料のDAWを買うけど何が良いかなという場合の”最初の1本目”として最適と言えます。
当スクールではCubaseの使い方に関するページもありますので、操作については宜しければ下記を参考にしてみてください。
⇒「Cubase 使い方講座」
その他のDAWのレビューや、DAWに関するコラムについては下記からご覧いただけます。