コロナ以後、おうち時間も多くなり、何か楽器をやってみたいなぁと思っておられる方も多いはずです。
一口に”楽器”と言ってもたくさんありますので、純粋に挑戦してみたい楽器があるならそちらから始めてみることが一番です。
ただ、今後作曲も視野に入れているなら個人的にはギターかピアノがオススメです。やはりそれは作曲(主に伴奏作り)に必要不可欠な「コード(和音)」を鳴らせるからです。
ここではギターかピアノのどちらが自分に合った最適な楽器かを判断するために、ギターとピアノのメリットとデメリットを見ていきます。
ギターのメリットとデメリット
ギターのメリット
では、ギターのメリットとデメリットについて見ていきます。まずはメリットから見ていきましょう。
主なメリットは次の3点です。
では順番に見ていきます。
メリット1:1万円程度で初心者セットがある
何かを始めるときにはやはり「初期投資」が必要ですが、ギターはこだわりがなければ1万円程度で買えます。
さらにギターには「初心者セット」が売られていて、購入するところにもよりますが、ギターの他、教則本、予備の弦、チューニング用の機械、ギター用カバー、肩掛けストラップ、ピック、スタンドなど、至れり尽くせりです。
エレキギターなら小さなアンプも付いている場合があります。
メリット2:すぐに始められる
初心者セットを購入すれば、最初からあれこれ用意する必要はないので、買った日(届いた日)にすぐに始められます。
また、ギターは特にこれといったセッティングは必要はなく、いちいち組み立てたりする必要はありません。
何事においても初動の入りやすさは本当に大事です。初動が面倒なものほど挫折する可能性が高くなります。
メリット3:場所を取らない
ギター自体はそんなに大きなものではないので、部屋の隅に置いておけば邪魔にならず、場所を取らないという点も良いところです。
通常のギターより一回りから二回りほど小さい「ミニギター」ならもっと場所を取らないですし、お子さんや体の小さい方でも扱いやすいです。
ちなみに、エド・シーランというイギリスのアーティストはミニギター(リトルマーティンLX1E)をメインで使っているので、大人でもミニギターメインは全然恥ずかしくないです。
ギターのデメリット
一方、デメリットを見ておきましょう。こちらも3点挙げてみました。
では1つずつ見ていきます。
デメリット1:チューニングが必要
ギターは特別なセッティングは必要ないものの、やはり弾いているとチューニングがずれていくことがあります。
演奏上必要なこともありますが、耳を鍛えるという意味においても毎回チューニングをしておくことが望ましいです。
ただ、チューニング方法はそんなに大変なものではなく、チューナー(スマホのチューナーアプリでも可)を使って先端にあるペグを回すだけです。
最初は面倒に感じるかもしれませんが、慣れれば20秒ぐらいでできます。
デメリット2:騒音
これはどの楽器でも共通していますが、ギター(特にアコースティックギター)は結構音量が大きいので、住宅環境によっては思いっきり弾けないということが起こりえます。
エレキギターはアンプを通さないとむしろはっきり聴こえないので、アンプを通さなければ思いっきり弾けます。
アンプを通したとしてもアンプの音量の調節すれば良いので、隣近所への騒音が気になる場合はアコースティックギターよりもエレキギターを選択するという方法もあります。
デメリット3:難攻不落の「F」コード
ギターには難攻不落の「Fコード」というものがあります(下図の押さえ方)。
これが弾けるか弾けないかでその後ギターを続けるか続けないかを決めてしまうと言っても過言ではありません・・・
特に指が短い人はかなりの確率でこの「Fコード」が押さえられず挫折してしまいます。
※押さえることはできるものの、音が出ないということもあります
ただ、経験上これは本当に”慣れ”です。毎日音が出なくても諦めずやっていくことで、きれいに出せるコツや指の置き所などがわかってきます。
Youtubeなどでもこれを弾けるようになるためのポイント紹介なども行っているので、そういったものを活用してみましょう。
当スクールでもギターの弾き方講座のページを作っているので下記を参考にしていただければ幸いです。
ピアノのメリットとデメリット
ピアノのメリット
今度はピアノのメリット・デメリットについて見ていきます。まずはメリットから見ていきましょう。
では1つずつ見ていきます。
メリット1:伴奏とメロディを両方同時に弾ける
基本的にギターは伴奏主体の弾き語りがメインになりますが、ピアノは伴奏とメロディを両方同時に弾けます。
そういった意味で練習曲に重厚感があり、「あぁ、楽器を演奏してるな!」という達成感や充実感みたいなものが出やすいです。
ただ、その分難易度は高くなりますが・・・
メリット2:表現範囲が広い
ピアノは88個の鍵盤があり、音域は7オクターブ以上あります。
音域がとても広いので、通常のコード楽器だけでなく、メロディ(女声も男声も)、ベース、ストリングスを再現できます。
ピアノ一台でオーケストラも再現できますので、作曲アレンジもしやすくなります。
メリット3:MIDIキーボードで困らない
DTMではMIDIキーボードを使って作るという方が多いと思いますが、ピアノが弾けるようになると、そのままMIDIキーボード操作に生かすことができます。
練習をそのまま作曲に生かせられます。
ピアノのデメリット
一方、ピアノのデメリットを見ておきましょう。
では1つずつ見ていきます。
デメリット1:初期投資が高い
ピアノのデメリットは何と言っても初期投資の高さです。簡単には手を出せません。
比較的安価なキーボードでも代用はできますが、ベロシティ(音の強さ)対応のものでないと、強く叩いても弱く叩いても全く同じ強さの音になってしまい、音の強弱の表現ができませんので練習も楽しくないです。
やはり演奏の楽しさを感じるためにはアコースティックピアノか電子ピアノを購入されることをオススメします。
デメリット2:場所を取る
88鍵ともなればやはりかなり場所を取ります。で
すので、ある程度部屋の広さが必要になってきて、お金があっても物理的な制約で買えない場合があるというのが辛いところです。
また、移動も大変で、ギターのようにたやすくあっちこっち移動できません。
デメリット3:調律はプロに頼む必要がある
ギターは自分で簡単に調律(チューニング)できますが、ピアノは素人が調律できません。業者に頼む必要が出てきます。
そういった点で追加費用が毎年のようにかかります。
それはつらいということなら調律不要の電子ピアノをオススメします。
ギターとピアノならどっちがオススメ?
ギターとピアノのメリット・デメリットについて見てきました。ただ、「じゃあどっちを選べばいいんだ?」と思われるかと思います。
どちらもメジャーな楽器なので、どちらを選んでも損はないというのが率直な意見です。
自分の弾いている姿を想像して、どっちがしっくりくるかで判断してみましょう(?)
今ではネットやYoutube等で演奏方法やコツなども確認できます。
ただ、あくまで個人的な意見としてはギターの方がオススメと言えます。
先ほど見たように、ギターの良さはモノにこだわりがなければ初期投資がかなり抑えられるというところで、挫折したとしてもそんなに懐は痛くありません。万が一の時はすっぱり断捨離できます。
一方ピアノは高額なので、万が一の時は後悔をし続けるという可能性があり、捨てるに捨てられない状況が続きます。ただ、自分が弾かなくなっても、パートナーやお子さんが使ってくれるということなら良いかもしれません。
あと、演奏面で言うと、ギターは基本的には左手を動かすのがメインで、右手は主に上下運動するのみになります。
※もちろん演奏内容にもよりますが
一方ピアノは基本的には右手も左手も両方(場合によっては足も)使わないといけないので難易度が高いと言えます。
また、ギターはKey of C(ハ長調)の7つのダイアトニックコードのコードフォームを覚えておけば、ほとんどの作品に対応できます。
Key of C以外の調で作られている作品があっても、「カポタスト」という器具(下図の赤丸)を使えばどんな調にでも対応できます。
基本的にカポタストはアコースティックギターに使う器具で、エレキギターにはほとんど使いません
そういった点から言うと、ギターの方が演奏の楽しさ、音楽の楽しさを早くに体験できるという点も良いです。
だからと言ってギターなら「すぐに」「簡単に」できるわけではなく、最初は誰でも大変に感じるものです。
ただ、ある段階を越えると、今まで苦労していたのが何だったのかというくらいスイスイ演奏できる時がやってきます。
さいごに:音楽理論を身に付けると楽器練習が断然楽しくなる
楽器は子供の時にやっておかないと習得できないとよく言われますが、実は大人から始めるメリットがあります。
子供は相当な英才教育を受けている子を除いて、音楽理論(音楽の構造)を理解するのには限界がありますので、楽譜に書かれているままを演奏することで精一杯です。
しかし大人であればある程度音楽理論を理解できるようになるので、音楽理論を身に付けると、音楽の構造を理解した上で演奏できるようになります。
ただひたすら楽譜に書かれているものを演奏するのと、音楽の構造を理解した上で演奏するのでは、断然後者の方が練習も楽しくなります。
もし大人から楽器演奏をやってみたいという方は、楽器練習に加えてぜひ音楽理論も併せて学習してみてください。
きっとその知識が楽器練習の後押しをしてくれるはずです。
以上、こちらの記事が参考になりましたら幸いです。