ここではコードそのものの「響き」に焦点を当ててみていきます。
メジャーコードとマイナーコード
前回、Cメジャースケール音のみで7つのコード(ダイアトニックコード)ができあがりましたが、各コードの響きはマチマチです。
たとえば「ド・ミ・ソ」のコード。響きはとても安定的で、明るい響きを持ったコードといえます。
しかし、一方で「レ・ファ・ラ」のコードは暗く感じます。
人によっては、特別暗くは聴こえないけど・・・という方もいらっしゃると思います。決してそういう感覚は間違いではありませんので安心してください。
この違いはなんでしょうか?
それは、コードのルート(起点の音)と2番目の音の距離に由来します。
下図が「ド・ミ・ソ」のコードと、「ド」から各音への鍵盤数を示したものです。
対して、下図が「レ・ファ・ラ」のコードと、「レ」から各音への鍵盤数を示したものです。
この図をみると、ルートと3番目の音までの鍵盤数はともに「8コ」分です。
しかし2番目の音へは、「ド」と「ミ」では「5コ」、「レ」と「ファ」では「4コ」しかありません。つまり、ルートと2番目のまでの音の距離が、「明るい」「暗い」を分けているのでは?と想像できますね。
ためしに「ド」と2番目の距離が5コの場合と、「4コ」の場合のトライアドを聴き比べてみましょう。
【「ド」と「ミ」:鍵盤数5コ】
【「ド」と「ミ♭」:鍵盤数4コ】
なんとなく「鍵盤数4コ」の方が暗く感じなかったでしょうか。
では、続いて「レ」を起点とした場合の違いを聴き比べてみてください。
【「レ」と「ファ」:鍵盤数4コ】
【「レ」と「ファ♯」:鍵盤数5コ】
「レ」の場合も同様、「鍵盤数5コ」が明るく、「鍵盤数4コ」の方が暗く聴こえます。
ということで、結論!!
「コードは、ルートと2番目の音が鍵盤数5コある場合は明るく響き、鍵盤数4コの場合は暗く響く」
音楽では、この明るく響くコードは「メジャーコード」、暗く響くコードは「マイナーコード」といいます。
この場合、「ド・ミ・ソ」のコードは「メジャーコード」、「レ・ファ・ラ」のコードは「マイナーコード」になります。
「メジャー」や「マイナー」という言葉もこれで3回目です。
1:メジャースケールとマイナースケール
2:メジャーキーとマイナーキー
3:メジャーコードとマイナーコード
「メジャー=明るい」「マイナー=暗い」は徹底していますね。
メジャーコードとマイナーコードに分けてみよう
では、その他のダイアトニックコードも、「メジャーコード」と「マイナーコード」に分けてみましょう。
「ミ・ソ・シ」から見ていきます。
【「ミ・ソ・シ」の場合】
ルートと2番目の音との距離は「鍵盤数4コ」です。つまり、「ミ・ソ・シ」のコードは「マイナーコード」になります。
【「ファ・ラ・ド」の場合】
ルートと2番目の音との距離は「鍵盤数5コ」です。つまり、「ファ・ラ・ド」のコードは「メジャーコード」になります。
【「ソ・シ・レ」の場合】
ルートと2番目の音との距離は「鍵盤数5コ」です。つまり、「ソ・シ・レ」のコードは「メジャーコード」になります。
【「ラ・ド・ミ」の場合】
ルートと2番目の音との距離は「鍵盤数4コ」です。つまり、「ラ・ド・ミ」のコードは「マイナーコード」になります。
【「シ・レ・ファ」の場合】
ルートと2番目の音との距離は「鍵盤数4コ」です。つまり、「シ・レ・ファ」のコードは「マイナーコード」になります。
ちなみに、ルートと3番目の「ファ」の鍵盤数は7コで、他のコードと違う点にも注目しておきましょう。
ということで、メジャーコードとマイナーコードグループは次のようになります。
【メジャーコードグループ】
- 「ド・ミ・ソ」
- 「ファ・ラ・ド」
- 「ソ・シ・レ」
【マイナーコードグループ】
- 「レ・ファ・ラ」
- 「ミ・シ・シ」
- 「ラ・ド・ミ」
- 「シ・レ・ファ」
次回は、毎度毎度「ドミソ」とか「ソシレ」とか言うのも面倒なので、コードを記号化してみるという話です。
下記から次のページをご覧ください。
【ギター弾き方&作曲講座 (理論編)】
- 音楽の基礎知識
- コードについて知ろう
- メジャーコードとマイナーコード (このページ)
- コードネームを付けてみよう
- もう1音加えてみよう
- 主要コードと代理コード
- マイナーキーで見てみよう