今回はコードを簡略的に記号化する「コードネーム」について見ていきます。
コードネームが理解できるようになると、コードネームを見ただけで何のコードが演奏されているか瞬時に見分けることができるようになりますよ。
コードネームとは?
これまで、「ド・ミ・ソ」や「レ・ファ・ラ」など言ってきましたが、少々面倒だと思いませんか?
Cメジャースケールのダイアトニックコードの中で、「ド」から始まるコードは「ド・ミ・ソ」しかありませんし、「レ」から始まるコードといえば「レ・ファ・ラ」しかありません。
そこで、わかりきったコードの形を「記号化」しておくと後々とても便利ですし、見分けもつきやすくなります。このコードの記号を「コードネーム」といいます。
例えば、楽譜上に次のような3和音が書かれていても、ある程度音楽に慣れた人でないとこれが何のコードかすぐに識別できません。
ただ、コードネームで記号化されていればいちいちこの音符を見なくてもどんなコードが鳴っているかすぐに識別できます。
では、3つ音をどのように記号化するか見ていきましょう。
コードネームの付け方
ここでの表記方法は世界共通ですので、この表記方法さえ知っておけば海外の楽譜でも容易に演奏できます。
方法は実にシンプルです。
- 「メジャーコード」の場合は「ルート音のみ」
- 「マイナーコード」の場合は「ルート音+小文字のm(エム)」で表します。
では「ド・ミ・ソ」のコードから順番に見ていきましょう。
「ド・ミ・ソ」の場合 (メジャーコード)
「ド・ミ・ソ」のコードは1番目と2番めの音が鍵盤5つ分ある「メジャーコード」でした。
先程も言及したように、メジャーコードの場合はそのままルート音で記号化するだけです。
ただ、そのまま「ド」ではなく、「ド」の英語の音名「C」にします。
ということで、「ド・ミ・ソ」は「C(シー)」と表記されます。
先ほどの楽譜の場合も、次のように五線の上に「C」と書かれていれば、「ド・ミ・ソ」が鳴っているんだなとすぐに理解できますね。
※楽譜には通常、次のようにコードネームも表記されています
「レ・ファ・ラ」の場合 (マイナーコード)
「レ・ファ・ラ」のコードは1番目と2番めの音が鍵盤4つ分ある「マイナーコード」でした。
先程も言及したように、マイナーコードの場合は「ルート音+m」で記号化します。
ここでもルート音はアルファベットにするので、レを「D」にします。
ということで、「Dm」になります。読み方は「ディーマイナー」です。
「ミ・ソ・シ」の場合 (マイナーコード)
「ミ・ソ・シ」のコードは1番目と2番めの音が鍵盤4つ分ある「マイナーコード」でしたので、こちらも「ルート音+m」で記号化します。
ということで、「Em (イーマイナー)」になります。
「ファ・ラ・ド」の場合 (メジャーコード)
「ファ・ラ・ド」のコードは1番目と2番めの音が鍵盤5つ分ある「メジャーコード」でした。
そのままルート音をアルファベットにするだけです。ということで、「F (エフ)」になります。
「ソ・シ・レ」の場合 (メジャーコード)
「ソ・シ・レ」のコードは1番目と2番めの音が鍵盤5つ分ある「メジャーコード」でした。
こちらもそのままルート音をアルファベットにするだけです。ということで、「G (ジー)」になります。
「ラ・ド・ミ」の場合 (マイナーコード)
「ラ・ド・ミ」のコードは1番目と2番めの音が鍵盤4つ分ある「マイナーコード」でしたので、「ルート音+m」で記号化します。
ということで、「Am (エーマイナー)」になります。
「シ・レ・ファ」の場合 (マイナーコード)
「シ・レ・ファ」のコードは1番目と2番めの音が鍵盤4つ分ある「マイナーコード」でした。
ただ、このコードだけイレギュラーなのが、「シ」と「ファ」の音の距離が他のコードより鍵盤1つ分少なかったですね。
「シ・レ・ファ」以外のコードはすべて、ルートと3番目の音が鍵盤8コでした。
この3番目の音との距離が「1つ少ない」というのもコードネームに加味してやります。
そこで「Bm(b5)」というコードネームになります。
なぜ「b5」になっているかというと、「シ」からみて「ファ」は5番目の音です。
シ(1)・ド(2)・レ(3)・ミ(4)・ファ(5)・ソ(6)・ラ(7)
この5番目の音が、他のコードと比べて半音少ない(フラットしている)ので「b5」が付きます。
読み方は「ビーマイナー・フラットファイブ」になります。
ということで、全部で次のようになります。
これまでは3和音の場合で見てきましたが、次回はもう1音加えた4和音を見ていきます。
下記から次のページをご覧ください。
【ギター弾き方&作曲講座 (理論編)】
- 音楽の基礎知識
- コードについて知ろう
- メジャーコードとマイナーコード
- コードネームを付けてみよう (このページ)
- もう1音加えてみよう
- 主要コードと代理コード
- マイナーキーで見てみよう