今回はギター特有で避けては通れない「バレーコード」と、ギターが得意とする「アルペジオ」について見ていきます。
バレーコードを習得しよう
「バレーコード」とは?
ピアノでは、コードフォーム(右手・左手)をそのまま半音や全音を上げれば、コードも半音や全音上がります。
たとえば、次のようにコード「Em」をピアノで押さえたとします。
ちなみに、ピアノではヘ音記号にある音符は左手で、ト音記号にある音符は右手で押さえます。この場合、左手は「ミとシ」、右手は「ミ・ソ・シ」になります。
このコードフォームをそのまま半音上げれば、単純にコード「Fm」になります。
では、同じことギターでやるとどうなるでしょうか?Emのコードフォームは次のようになります。
このコードを半音上げた「Fm」にするために、ピアノと同じように、押さえている指を半音上げてみます。
この場合、押さえた弦は半音上がりましたが、それ以外の開放弦は元の音のままですね。
つまりギターでは、ピアノのようにそのまま指を上げてもちゃんとしたコードにならないということです。
では先ほどの「Fm」もどきのコードフォームをれっきとした「Fm」にするにはどうすればいいでしょうか?
押さえている弦のみ半音上がっているので、押さえていない弦の音をすべてを半音上げれば「Fm」の完成です。
しかし、左手の5本の指のうち2本は使っているので、残り4つの音を3本で押させるというのは物理的に不可能です。
そこでとられるのが「バレー(セーハとも)」という方法です。「バレー(セーハ)」は人差し指で1弦から6弦までをまとめて押さえるものです。
人差し指で1フレット全体をバレー(セーハ)してやると押さえていない弦がすべて半音上がる事になりますので、これで「Fm」の完成です。
※バレー(セーハ)しやすいように、元々押さえていた指を薬指と小指に変えています
つまり「バレー(セーハ) + ローコード(一般的なコードフォーム)」でどんなコードでも作れるということです。
5弦と4弦は同一弦上に2音押されていますが、ギターはより高い音しか出ませんので、2音押さえていても1音しか出ません
バレーコードを練習してみよう
では「バレー + ローコード」で他にどんなコードが作れるか、練習のつもりでみていきましょう。
例えば、コード「Bm」を作りたい場合はどうすればいいでしょうか?
まずは作りたいコードに似たコードを取り上げます。「Bm」に似た「Am」がありますね。
「Am」のコードフォームは次のようなものです。
では、「Am」から「Bm」にするにはどうすればいいでしょうか?
「A」と「B」はフレット2つ分の差があります。つまり、そのまま「Am」のコードをフレット2つ分上げます。
しかしこれでは前回と同様、押さえた指のみの音が上がっただけで、その他の弦の音は上がっていません。
そこで、「バレー」の出番です。押さえていない弦の音を2つ分上げるためには、2フレット目をバレーするといいわけです。
これで「Bm」が完成しました。
このフォームのまま1フレットずつ右へスライドさせていくと、「Cm」⇒「C♯m/D♭m」⇒「Dm」⇒・・・・となっていきます
他に「バレー+ローコード」でどんなコードが作れるか、自分なりに研究してみてください。
アルペジオを習得しよう
ギター奏法の一つに「アルペジオ」というのがあります。
基本的にコードは一斉に鳴らしますが、一弦一弦別々に弾いていくことを「アルペジオ」といいます。
方法としては、右手の親指・人差し指・中指を中心に、弦を爪弾いていきます。時には薬指や小指を使うこともあります。
では、アルペジオのサンプルを聴いてみましょう。コードは「CM7」です。
アルペジオはとにかく弦を別々に弾いていけばいいので、弦を弾く順番は決まっていません。ただし、一番最初はコードのルート音が鳴るようにします。
一番オーソドックスなアルペジオパターンは、「ルート」⇒「3弦」⇒「2弦」⇒「3弦」⇒「1弦」⇒「3弦」⇒「2弦」⇒「3弦」のパターンです。
それでは、「CM7 ⇒ Am7 ⇒ Dm7 ⇒ G7」というコード進行で、以上のアルペジオパターンを用いた例を聴いてもらいましょう。
最初は指が動かしにくいですが、慣れてくるとスラスラ動いてくるようになります。
基本的には同じ指の流れを保って演奏していきますので、まずは1つのコードだけで練習してみて、そこから色んなコードで練習してみてください。
アルペジオは比較的、遅いテンポのバラードでよく聴かれます。
ぜひ、自作曲にも取り入れてみてください。