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『サルでもわかる音楽理論(上巻・下巻)』津本幸司著
『サルでもわかる音楽理論(上巻・下巻)』津本幸司著
お察しの通り、サルにはわかりません・・・。
「サルでもわかる」はあくまで比喩だということを理解しておく必要があります。内容がわからなくても、「自分はサル以下なのか!」と悲嘆する必要はありません。
※わざわざ言わなくてもわかると思いますが
こちらの本は、各項目を2~4ページ程度で簡潔に説明しています。
細かく一つ一つを説明しているわけではなく、譜例をたくさん使っているというものでもありません。
誤解がないように言っておくと、あくまでこれは当初からのこの本のコンセプトで、あえてこういう構成にしているようです。
登場人物である「タロー君」と「花子さん」の会話に対して、「博士」が助けを出す(より詳しく説明する)という形が主になっています。
『ちゃんとした音楽理論書を読む前に読んでおく本』でもそうですが、会話形式で説明するというのが最近の傾向なのでしょうか?
※しかも、どちらもなぜか女性が気の強い感じに描かれている・・・
会話のやりとりの中で説明にたどり着くという形なので、やや回りくどい部分はありますが、こういう形式の方が理解しやすい方もおられるはずでしょう。
上・下巻があり、上巻はおもに音名や音部記号、拍子、メジャー/マイナースケール、ダイアトニックコードなどなど楽典的な部分が中心になっています。
下巻は応用的なコードを中心に、他の音楽理論書でも言及されていないような、非常に高度なコード理論やスケールまで言及されています。
これまである程度音楽理論書を読んでこられた方にとっては、下巻のみ購入するというのも十分アリです。
この上下巻をすべて理解できれば、より複雑な理論書でも対応できるぐらいです。
予習用にも復習用にもなる本なので、読んでおく価値はアリです。
ただ、サンプル音声がありませんので、楽器等で自分で確認しなければならないのが難点といえます。